2004/12/29

Europa Universalis IIその2 + 昨日の出来事

まずは、前回の話にきちんとケリを付けておきましょう。

Europa Universalis IIの話の続き

このゲーム、実際に遊んだ人の話を聞くと「宗教戦争ゲーム」と呼ばれている事が多いです。ちょっとルールを齧ってみた感じでは、宗教戦争だけでなく、当時の宗教の情勢がゲームシステムとしてきちんと組込まれている感じです。

例えば、現実に仲の悪い宗教(を国教とする国)同士では戦争が起き易くなっているとか、異端、異教の地方を植民地化、或いは自国の領土とすると反乱が起き易い、かと言って改宗させるのはわりと難しい、など。また、自国の他の宗教に対する寛容度を初期の状態から変化させる事は出来るのですが、かなり時間が掛かる、などなど。

上手く説明するのは難しいんですが、宗教間の対立ネタが好きな人には楽しめるゲームかも。

また、このゲームは日本語版も発売されていますが、これは香港の会社がデータを改造したバージョンで、オリジナル版の日本語版は存在しません。この改造版は「アジア チャプターズ」という名前が付けられており、オリジナル版ではやや扱いがいい加減だったアジア地域のデータを改良、この辺りの地域で発生する歴史イベントの追加、ついでにシナリオの追加も成されております。

「じゃあ、別にオリジナルの日本語版が無くても良いじゃん?」と思われるでしょうが、パッチが問題なのですね。このゲームはパッチによるアップデートで少しずつ(時には大きく)ルールの改良、AIの強化、バランスの再調整がなされているのですが、アジア チャプターズはバージョンが少し古め。この辺りを気にしないなら、日本語版を購入するのも悪く無いとは思います。

というわけで、リンクを。

はい、と言うわけで Europa Universalis IIの話は終わり。


The Incredibles

...という映画を見てきました。Mr.インクレディブルとも言うよね。Pixer社の最新作。

つうか、素直にとても面白かったです。「ちょっと捻ったスーパーヒーロー物」という趣きの作品ですが、あまり色々と考えず、良く出来たエンターテイメント映画だと思っていただければ。これだけストレートな題材で、これだけ面白い話が作れるというのは、非常に心強い事です。

奥さんが大活躍でしたね。邦題を「インクレディブル夫人」にしてあげたい。ちょっとバーバパパを思い出しました。

そう言えば、damned氏から「The Simpsonsにちょっと似てるヨ!」という話を聞いていたんですが、確かにあの作品っぽい、ちょっとブラックで変なユーモアがあちこちに。好き。

ま、取り敢えず「家族全員で楽しめる」とか、「感動しました」という言葉に惑わされちゃダメよ、という事で。感動はしなかったけど面白かったんですよ!

おっと。CGの技術にも相当に驚かされました。これだけを目当てに見にいくのもアリかと。


Sin City

The Incrediblesを見た帰りに、梅田のジュンク堂書店にて、Sin Cityなるグラフィックノベル(註:自分も詳しくは無いんですが、どうも海外では大人向けのコミックをこう呼んでいる様子)を購入してみました。ぼちぼち海外のコミック作品にも手を出してみるかー、という事ですよ。でも、国内で買うとバカ高いなぁ。次からは素直に Amazon.comあたりで買う事にしようっと。

著者は Frank Miller氏。コントラストの強烈な絵柄がカックイー。まだ読んでないので、感想はこれくらいね。

ちなみに、Amazon.comで最初の方を読む事が出来ますよ。表紙のイラストのところにマウスカーソルを持っていくか、そこをクリックすると読めます。

余談ですが、自分が突然海外のコミックに手を出してみたいと思った直接の原因は、Bad Mojoというグラフィックノベルだったりします。本当は、これが置いてあったら最高だったんだけどな。ちなみに、最近リメイクされて個人的に相当気になっている、同名の PCゲーム(主人公がゴキブリのアクションアドベンチャー)と名前が同じだから目が留まったんですが、実際には全く関係がありません。まあ、それはそれとして面白そう。

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2004/08/20

Harry Potter and the Prisoner of Azkaban

何だかんだ言って見ちゃったよ。で、結論から先に書くと、映画としての面白さは全く期待していなかったので、見て損したとは思いませんでした。

何故、期待をしていなかったのに見たのかと言うと、「一度だけ、あのビジュアルを映画館の大画面で味わっても良いかな」と思っていたからです。ビジュアルってのは、英国の、人里から隔離された場所にある寄宿舎とか、魔法っぽい映像効果とか、その辺です。ええ、見事なまでのミーハー根性でございます。てか、はっきり言っちゃうと、映画版ハリーポッターの魅力って、残念ながらそういう部分にしかない、と思えるのですよね。二作目は見てもいないので評価は保留しておきますが、たぶん同様。

何と言うかまあ、ストーリーとかエピソードの処理に関しては、幾らなんでもマズ過ぎるだろう、という感じです。エピソードを箇条書きで並べたような感じでした。ストーリーを追うのに必要最低限の情報だけを提示しているので、例えば後の伏線となる謎が提示されても、ただ「何だこれ?」としか思えないのです。だから、謎が解明されても「ふーん、そうなの」という程度の印象しか受けなかったり、下手すると「ああ、あれって謎だったのか」と思えちゃったりするわけで。

この映画版ハリーポッターは、個人的にはやっぱり「映画化に失敗しちゃったな」と思えるのですが、その理由はたぶん、原作が持つストーリーの面白さを出来る限り忠実に再現しようとしたからなのでしょう。その気持ちは良く分かるんですが、流石に無謀でしたね。頑張ってはいるのでしょうけど、やっぱり原作のストーリーの面白さはあまり再現出来ていないです。ストーリーや描写を味わう余裕が殆んどないので。少なくとも、この映画版だけを見て、何故あれだけ小説版の人気があるのかを理解するのは無理でしょうね。

原作を読んでいない人も多いかと思うので、一応フォローしておきますと、ハリーポッターの小説版って、実はかなり複雑な構造をしているのですね。一作目だけを読むと、あの時点で世界観などが完全に確立されているように見えますが、実際には氷山の一角でしかありません。「お話」の部分に絞って言うと、一見して無駄に細かく思える描写や、ただの賑やかしに思えるエピソード (イベント) の数々は、その殆んどが後のシリーズの伏線だったり、物語の背後にあるものを理解するための描写だったりするのです。そんなわけで、ハリーポッターはエピソードを削るのがかなり難しいため、映画版はこんな感じになってしまったのではないか、と。


余談。某レビューサイトにて、「これじゃ、ファンタジーと言うよりホラーだ」という批評を目にしましたが、実はそれ、至極当然の事なのです。ハリーポッターって、本質的にはファンタジーじゃなくてモダンホラーなんですよ。一作目は、魔法使いものファンタジーの皮でほぼ完全に覆われていましたが。あと、そもそもハリーポッターの世界観というのは、ほぼ完全に「お遊び」で作られたもので、真面目にファンタジー風の世界観を構築しようという意図は、はなから作者の頭に無いんでしょう。と言うわけで、ファンタジーとしては「指輪物語とは比べものにならない」のは、これまた至極当然の事であるわけでして。

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2004/08/13

サントリーミュージアム

サントリーミュージアム天保山に行って来ました。ここは、いわゆるギャラリーと IMAXシアターの両方を備えた素敵な施設 (安藤忠雄氏の設計による建物自体も素敵) で、今回はその両方を堪能して来ました。

ギャラリーの方は、上のリンク先でも紹介されているように、「パリ1900年」という展示会が行われていました。1900年というのはパリ万博の年なのですが、そのパリ万博のパビリオンとして建てられた美術館の所蔵品の一部が展示されている、との事です。どちらかと言うと、当時のパリの雰囲気を味わってもらう、という趣旨であるようです。絵画のみならず、彫刻、アールヌーヴォーのガラス工芸品など、作品のバラエティはかなり富んでいました。

で、面白かったんですけど、個人的には、これならもっと展示する作品の数が多かった方が良かったな、と思いました。もしくは、作品のジャンルを絞るとか。と言いつつ、機会があれば、もう一度くらいは行ってみたい気がします。

ところで、サントリーミュージアムはいわゆる近代美術に強いと言いますか、展示会で扱われるテーマは、その辺がかなり多いです。というわけで、近代美術が好きな人で、近畿圏に住んでいる人は、要チェックなのであります。


話は変わって、IMAX映画。あまり馴染みが無いかもしれないので、一応解説しておきますと、IMAXシアターというのは、要するに馬鹿でかいスクリーンが魅力の特殊な映画館です。どれくらい馬鹿でかいかと言うと、スクリーン全体が視界に収まらないくらい (註:比喩表現ではありません)。それでいて、上映に使うフィルムも馬鹿でかいので、映像の鮮明さは通常の映画と変わらず。いや、下手をすると、普通の映画より鮮明に見えます。解像感が全然違いますからねー。

で、普段は専用のプログラムばっかり掛かっているのですが、今回自分が鑑賞したのは、「Harry Potter and the Prisoner of Azkaban」。いやその、シリーズ作品を一度だけ劇場で見ておきたいと思ったのと、普通の劇場用映画をあの大画面で見たらどうなるのか、という好奇心に勝てなかったものですから。

というわけで、(自分にとっては) 一番大事だった画質ですが、これは正直びっくり。35ミリのフィルムを引き伸ばしたようには見えませんでした。ただ、一部のシーンはかなりボケてるな、と思ったんですが。恐らく、IMAXでも上映される事を前提に、大きなフィルムで撮影されたのでしょう。と言いつつ、実はそんなに自信が無かったりして。でも、わざわざ IMAXシアターを選択する価値は充分にあるんじゃないかと。値段も変わらないし。

映画としての感想は、文章が長くなっちゃったので、別の機会に。

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2004/07/13

The Day After Tomorrow

警告:この文章は、ちょっとだけネタバレを含んでいます。まあ、映画の面白さを損なうような物じゃない、とは思いますが、一応。

それはさておき。見ちゃったよ。見に行っちゃったのよ。と言うわけで、忘れないうちに感想をアップしておきます。

ストーリー

地球の温暖化は、氷河期の到来を早めてしまうのです! 何故って、北極や南極の氷が溶け出して、海水とは比重が違う真水が周囲の海に流れ込み、海流がすっかり変わってしまって、何とやらだからです。そういうわけで大変なのです。あと、凍った海の上も歩きます。

レビュー

素直に言えば、思っていたよりも楽しめました。ディープインパクトと言い、タイタニックと言い、洪水ネタ(タイタニックは微妙に違うような)に弱いだけかもしれませんが。もう少し真面目に書けば、「インデペンデンスデイ」「アルマゲドン」みたいに無理矢理に外敵を排除してハッピーエンド、ではなく、ただただ災害が収まるのを待つしかない、というサバイバルなお話だったから、そんなに悪い印象を受けなかったんでしょうな。最終的には異常気象がきっちりと収まって、妙に清々しいシーンで終わるのですが、「地球が氷河期に入ってしまった」という事実に変わりはないわけで。

まあ、「悪い印象は無い」ってだけで、誉めるつもりはありませんけどね。相変わらず、無茶にサスペンスな状況を作りたがるし。無茶と言っても突発的なものではなく、きちんと伏線が張られているのですが、それがむしろ笑えます。そうそう、家族愛や自己犠牲もちゃんと盛り込まれているらしいよ。

あと、冒頭で東京(という設定になってる)のシーンがあるのですが、これがまた「ブレードランナーへのオマージュか?」と思えるようなセットでした。まあ、「漂流街」よりは日本っぽい気もしますが。

とまあ、基本的には馬鹿にしても良いような映画なんですが、それでもニューヨーク大洪水のシーンを心から楽しめてしまった点は否定出来ません。インデペンデンスデイの都市壊滅シーンも同様なんですが、あの、災害がじんわりと、しかし確実に寄ってくる、という感覚が自分は大好きでして。絶望感が心と体を支配出来る程度の余裕を与えつつ、確実に命を奪っていくという。いや、多分に想像力に助けられてはいますけど。

結論としては、災害映画なのに妙に脳天気なのが気になりはするものの、見て損した、という感覚は無いです。どうでも良いけど、こういう映画ってかなり IMAX向けだと思うんですが、IMAXではこういうの作られませんねぇ。しょぼしょぼ。

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