2010/01/12

Everyday Genius : Square Logic (PC用パズル)

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今回も、軽めのゲーム……と言うか、パズルの紹介です。Braidと同様に、Steamの安売りセールで適当に買ってみたら、当たりでした。内容的には完全な「ペンシルパズルの問題集」なので、ペンパ好きな人向け。

「Everyday Genius : Square Logic」のルールは、日本では「賢くなるパズル」、海外ではKen-KenとかMathdokuの名前で知られるパズルそのまんまなのですが、問題のバリエーションを増やすために、このゲームだけの追加ルールが幾つか盛り込まれています。元々は、宮本哲也という算数の先生が、子供達が面白く算数能力をアップ出来る方法を、として考案したものらしいです。日本では、書籍が数冊とDS版ソフトが、学習研究社から発売されています。

このソフトは英語版しか存在しませんが、ルールさえ理解していれば、そこそこの英語力で大丈夫だと思います(まず体験版で確認するのが吉)。価格は、Steamだと定価でも$14.99、2010年2月に発売予定のパッケージ版は、米国Amazonで$19.99。問題数は20,000オーバーだそうで。……ぐふっ。

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このパズルの盤面は、太線で区切られ、別々の色で塗られた、幾つかの部屋に分かれています。そして、その各部屋の左上に、小さな式が書いてあります。パズルの目的は、以下の条件を満たすように、各マスに数字を入れていく事。

○縦横ともに、一列には同じ数字は一つしか入らない。
○それぞれの部屋には、式が成立するような組み合わせで、数字を入れる。

例えば、式が「2=」の場合、そのマスにはずばり2が入ります。マスの数が3つで、式が「6+」なら、3つの数字の合計が6になるように、数字を入れます。マスが一直線に並んでいる部屋であれば、当然ながら、入る数字は1と2と3の組合せしか有り得ません。式のバリエーションには、いわゆる四則計算の他にも色々とありますが、割愛。

つまるところ、論理思考能力と計算力の両方を問われるパズルでして。算数能力を鍛えるモノとして良く出来てるなー、と素直に思いますが、そういうのを抜きにして、純粋にパズルとして面白いです。意外と高度な解き筋も色々とありそうですし。使われる式の種類が多いため、問題や解き味のバリエーションも豊富です。

また、特殊な盤面も2種類用意されています。うち一つの「Hidden Cage」では、部屋分けが不完全な状態でプレイヤーに提示されるため、まずはどう部屋が分かれているべきなのかを、考える必要があります。

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残念な事に、この部屋の分け方については、複数解が存在する問題も、結構あります。実は、画面写真の問題も、そう。数字の方はちゃんと単一解になっているし、理詰めで確定出来るんですけどね。数字さえ埋めればクリアになるんで、遊ぶ上で問題にはならないんですが、やっぱり残念。

全体のゲーム進行は、殆んどのパズルゲームと同様に、エリアを一つずつ解禁していくタイプ。しかし、新たなエリアを解禁する条件が、いつでも挑戦出来る「チャレンジパズル」を1問解くだけと非常に緩く、大きなストレスにはならないでしょう。エリアあたりの問題数もかなり多いし。問題を解いていく順番は、かなり融通が効きます。

全体的に、細かいところまで気が配られていて、隙が無い。プレイ環境は優秀、ヒント機能も、答えそのものを言わないのに痒いところに手が届く、素晴しい出来映え。最近流行の実績にも対応。などなど。ペンパ好きには、英語版である事を除けば、何のためらいもなくお勧め出来ます。

ちなみに、最初は幾つかある支援機能が全てオンになっているので、知らずに遊ぶと「何?このヌルい仕様」と思っちゃうかもしれませんが、設定次第で完全自力仕様への変更が出来るので、ご安心を。

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2010/01/10

Braid(アクションパズル)

明けましておめでとうございます。皆様は、どのような年末セールをお過ごしになったでしょうか。自分は、Steamの大型安売りセールでゲームを大人買いしてしまい、こういうのは子供買いと呼ぶ方が正しいのではないか?と悩まされる日々を過ごしております。しかし、ここまで安いと、良い事なのか悪い事なのか、判断が難しいですな。

というわけで、今回紹介するのは、そんな子供買いした中の一本。「Braid」という名前のアクションパズルゲームです。元々はXbox360用にダウンロード販売されたもので、現在ではWindows、MacOSX、PS3にも移植されています。日本語版は、自分の知る限りでは、Windows版とXbox360版のみ。PS3は、そのうち日本語版が出るでしょう。たぶん。

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ゲームシステムは、まんま「スーパーマリオ」なジャンプアクションに、パズル要素を足したもの。最初のワールドは、ほぼ純粋なジャンプアクションですが、それ以降はパズルがメインで、「パズルを解くのに手先の技術も必要とされる」感じ。

面数は全部で37で、全体が6つのワールドに分かれています。最後のワールドへ行くには、それまでのワールドで、あちこちに置かれているジグソーパズルのピースを全て集め、絵柄を完成させる必要があります。で、これらのピースが、頭を使わなければ行けないような場所に置いてあるわけです。

パズルの要となるのは、主人公が持つ「時間を巻き戻す」能力。これは、シフトキーを押している間だけ、ほぼ全てのモノの動きが逆再生される、というもの。2つめのワールドから、巻き戻しの影響を受けないオブジェクトが登場するようになり、時間を巻き戻しても、完全には元の状態には戻らなくなります。というわけで、こういったオブジェクトの利用方法が、パズルになっています。

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その後のワールドでは、更にそれぞれ別個のルールが一つ追加され (特殊能力が一つ増える、など)、仕掛けがよりトリッキーなものとなります。つまり、ワールド毎にプレイ感覚がまるで違う。また、それぞれのパズルで使われているトリックはそれぞれ違っており、似たような解き方をするパズルは殆んど存在しません。ボリュームは少なめですが、密度が高く、プレイ後の満足感が妙に高いです。

難易度は、中盤まではそんなに難しくありません。終盤は、パズル慣れしていない人には、相当に難しいかも。アクションもかなりシビアではありますが、こちらは簡単にやり直しが出来るので、そこまで難しい印象は受けません。

なお、隠し要素として、合計7つ隠されている「星」を全て集めると、真のエンディングが見られるようになります。但し、達成の難易度はかなり高め。見付ける事自体が、相当に難しいです。(実は、自分もまだ、一つとして見つけられていない……)

ゲーム性と直接には関係ありませんが、ストーリーもなかなかに興味深い内容です (無視しても十分に楽しめるけど)。物語自体はシンプルなんですが、文章表現において直接的な描写が少なく、含みがある、或いは暗喩と思しき表現が多め。なので、英語慣れしていないと、意味を理解するのは難しいです。理解出来るまで、繰り返し読む根性があれば大丈夫……と思いますが。日本語版を購入するのが無難でしょう。

小品だし、プレイ時間も短めですが、内容の密度はかなり高く、濃厚です。文句なしにお勧め。

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2009/10/02

The Incredible Machine Mega Pack (GOG.com)

ううーむ。まさか、この様な形で、このゲームが復刻発売されるとは。お馴染み、GOG.com にて、パズルゲームの「The Incredible Machine Mega Pack」が発売されました。

The Incredible Machine とは、分かり易く表現すれば、「ピタゴラ装置」のようなものを作って遊ぼう、というゲームです。用意されたパーツを上手く配置し、上手く連鎖反応を起こさせて、各問題に設定された目的を達成していきます。しょーもない目的を達成するために、やたら大掛かりで遠回りな装置を作らにゃイカンところを楽しむゲームと言えましょう。

用意されたパーツの種類は結構ありますが、バナナを見ると延々と自転車を漕ぎ続けるサルとか、何らかの刺激で車輪を回し続けるネズミなど、妙なものが混じっていて、楽しい (ちなみに、これらはベルトコンベアとか歯車を回す動力となる)。

また、ステージには物理法則が働いており、例えば幾つか用意されているボール類は、素材によって跳ね方が変わったりと、挙動がかなりリアルです。かと思えば、完全に重力を無視したパーツが混ざっていたりするのですが、それは御愛嬌。とまれ、挙動をしっかり考慮しないと、多くの問題は解けません。

ただ、リアルな挙動を再現しているが故に、偶然で解けてしまったり、別解が生まれ易いという一面はあります。個人的には、こういうのも面白いと思いますが、好みが分かれるところかもね。

難易度は、問題によりかなりの幅があり、後半の問題は真剣に難しいです。ネコに洗濯カゴを被せる (註:ステージの目的) ために、もの凄く複雑な仕掛けを「サルとバナナを隔てるブラインドを開ける」ためだけに苦労して作ったが、上手く行かなくて2日以上悩む、そんな光景がザラにある。そんなゲームです。そう言えば、昔遊んだ時は、全問クリア出来なかったんですよね。今度は頑張ろう。

ちなみに、GOG.com のパッケージは、言わば完全版でして、過去に発表された全ての問題が網羅されています。なんか変な表現ですが、このシリーズは「続編に、前作の問題が全て含まれている」パターンが何度かあり、そういう問題が完全に被っているゲームが省かれているのです。だから、「あれ?初代が無いよ?」とか心配しなくとも大丈夫。

なお、The Incredible Machine は、2001年を最後に新作が途絶えているのですが、ドイツのメーカーが「Crazy Machines」という同じコンセプトのゲームを製作しています。こちらは、Gamers Gate や Steam で扱いあり。Steam の方が、拡張パックも扱っていて良い感じです。

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2009/04/06

るぷぷキューブ ルプ★さらだ DS(DS用パズルゲーム)

お久し振りです。今回は、DS用の本格派パズルゲームの紹介。
まあ、何はともあれ、まずは紹介ビデオをどうぞ。

ビデオを見ればお分かりのように、とりあえず「キャラゲー」です。……なのですが、それでいながら、ゲーム性がガチンコでストイックな作りという、ある意味マニアック極まりないゲームです。キャラクターに興味が無い人でも、パズルが好きなら、激しくお勧め。

「キャラ」の方は、竹本泉氏による漫画「ルプ★さらだ」が原作。

竹本泉氏は、80年代から活躍されている漫画家さんです。少女漫画家(註:本人は男性です)らしい、可愛らしくほのぼのとした雰囲気のある絵柄と、「可愛らしくほのぼのとしてはいるが、どこかシュールな話」の組み合わせで、カルトな人気を獲得しています。あと、本人がSFファンなので、SF的な(特に古典SF的な)ガジェットも、作品中に良く出てきます。

このゲームは、竹本泉氏による短編物語が、フルボイスで楽しめる事も特徴の一つなのですが、何と言うか、パズルと全く繋りがありません(笑)。「パズルを解かないと、話のオチが見られないヨ」というだけの、ふざけた仕様。でも、妙に気合が入っているという。いやまあ、別に良いけど。

しかし、このゲームの「キャラゲー」としての最大の特徴は、全12曲に及ぶ、歌つきのBGMでしょう。全部、竹本泉氏による作詞で、ほのぼのとシュールが同居する、極めてインパクトの強い楽曲に仕上がっています。このBGMに脳をやられたゲーマーは、数多し。……本気で邪魔に感じる人が多いかも知んない。(音量調節出来ます)


さて、本題となる「ゲーム」としての紹介です。

ルールを分かり易く説明すると、「倉庫番」のように上手にキューブを動かしていき、「ぷよぷよ」のように同じキューブを 3つ以上くっつけて消していきます。特殊なキューブも多数用意されていますが、長くなるので、紹介は割愛。ビデオで確認して下さい。サイドビューなので「アクションパズル」っぽく見えますが、実際にはアクション性は一切なし。完全な思考型のパズルです。

この手のパズルとしては、「複数のキューブを一度に押せる」などなど、行動の制限が緩めなのが特徴。これ、一見すると「お気軽仕様」っぽく感じられますが、実際にはむしろ曲者。行動の自由度が高い分、定石となるテクニックも、その応用バリエーションも、かなり豊富。奥が深いです。最後のほうの問題でも、新しい応用テクニックが登場したりして、ビビります。

用意された問題は、これまた良く出来ていまして。たまに変なのもあるけど。ちゃんとゲームシステムが持つ奥の深さ、多彩さが有効利用されていると言いますか、とにかく、解き味のバリエーションが豊富。遊んでいて、全然飽きません。

難易度の面でも、いかにも入門者向けの、簡単極まりないものから、「これ、絶対バグだろ」と言いたくなるような難解極まりないものまで、実に幅広い。全体的には、特に難解という程でもなく、半分くらいなら、頑張れば誰でも解けるかと思います。ただ、全問コンプリートは、とんでもなく難しいです (自分も、まだあと 30 問くらい残っている)。まあ、別に急ぐ理由もないし、まったり、ゆっくりと解いていけば良いんじゃないでしょうか。

ちなみに、問題数は、通常モードで 360 + 隠しの 12問。あと、オマケモードに、なんと 3200問。オマケモードは、どうやらコンピュータで自動生成させているらしく、面白さの点では、きっちりと設計された問題にかなわない物が多いですが、それでもまあ、これだけボリュームがあれば十分でしょう。

全体的に、地味で、どことなく古臭い印象を受けるゲームではありますが、素直にじっくりと面白いパズルで遊びたい、と考えている人には、文句無しにおすすめ。あまり出回っておらず、田舎のゲームショップでは、まず見掛けないようですが、ネットショップでは結構ふつうに買えます。高くても、定価で買えます。

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