カルネージハート エクサ:ファーストインプレッション
お久し振りです。ちょっとマジで仕事が忙し過ぎて、とてもじゃないけどゲームをじっくり遊んだり、記事を書いたりしている余裕がありませんでした。でも、そろそろ落ち着いて来たので、更新を再開したいと思います。
実は、更新を停止している間も、PSPでゲームアーカイブス作品などを細々と遊んでいたり、ここに掲載する記事をこつこつ書き溜めたりしていたんですが、それらより先に、数日前に購入した「カルネージハート エクサ(Carnage Heart Exa)」の紹介をしておきます。
なお、今回の紹介文は、基本的にシリーズの未経験者向けです。と言うのも、自分自身がほぼ「エクサ」でデビューしたも同然なので、過去作品との比較が出来ないので……。
「カルネージハート エクサ」は、PS1の時代から細々と続いている、ロボット戦闘シミュレーションゲームの最新作。対応機種はPSPで、UMD版(定価:5880円)のほか、ダウンロード販売版(4700円)もあり。旧作もゲームアーカイブスで購入可能ですが、未経験者には今回の「エクサ」がお勧め。
端的に言うと、カスタマイズしたロボット同士を戦わせるゲームなんですが、直接ロボットを操作する代わりに、プレイヤーが開発したプログラムにより自動で戦闘を行わせる、というのが、このシリーズの大きな特徴です。むしろ、このプログラム開発こそが主役だと言っていい。
このゲームのプログラミングは、様々な機能を持つ「チップ」をマス目に配置していくという、視覚的に分かり易い形で行われます。まあ取り敢えず、実際のプログラミングの知識が一切なくとも、このゲームにおけるプログラムの組み方や概念は理解出来るようになっています。
これが、実際のプログラミング画面。外枠にあるスタート地点から、矢印に沿って順番に一つずつ、チップに書かれた命令が実行されて行きます。その途中で、特定の条件を満たしているか否かで、命令の流れを分岐させる事が出来るようになっています。これを利用して、状況判断を行わせつつ、状況に応じた行動を指示していくというのが、プログラミングの基本的な理屈です。
用意されている機能は多く、ロボットの全てをプログラムで制御する事が可能。熟練すれば、かなり高度な制御も出来るようになります。工夫次第では、少ないチップでも案外強い機体が出来ちゃったりするのも、面白いところ。また、戦闘は最大で3機vs3機のチーム戦となり、複数機体を連携させる機能もちゃんと用意されています。というわけで、果ての無いプログラミングの世界が、プレイヤーを待ち受けているわけです。
参考までに、実際の戦闘の様子を収めたムービーをどうぞ。慣れれば、これくらいの動きをさせられるようになります。
ところで、全てを制御出来るという事は、裏を返せば、プレイヤーが全てを制御しなければならないという事でもあります。それに、プログラム(と言うかコンピュータ)は全く融通の効かない代物であるため、感覚に慣れるまでは、完成したプログラムが想定していたように動いてくれない、なんて事が良く起こります。はっきり言って、このゲームは最初の壁が、かなり高いです。
しかし、「エクサ」には大ボリュームのチュートリアルが用意されていて、細かくしっかりレクチャーしてくれるし、課題毎にサンプルプログラムも用意されていて、これがプログラミングの学習に、大いに役立ちます。少なくとも、やる気さえあれば挫折する事なく学習していけるだけの環境が、きっちり整っています。取り敢えず、序盤でいきなり躓く事はないでしょう。
とは言っても、楽しむために根気とかなりの学習量が必要で、思い切り人を選ぶゲームなのは確か。そもそも、プログラミングの愉しみが完全に理系のものなので、ゲームの嗜好が完全に文系な人には、恐らく全然合わない。でもまあ、「プログラミングにちょっと興味があるんだけど……」という人でも手に取ってみる価値がある、と自信を持って言えるくらいには、敷居は下がりましたね。
話は変わって。今回の「エクサ」で最も注目を集めた新要素が、「アクションゲームのように、ロボットを操縦出来るようになった」事です。これだけだと、本来のゲーム性と全く噛み合わないように思えますが、その実態は「PSPのボタン操作に反応するプログラムを作成出来るようになった」という、実にこのゲームらしいものでした。
つまるところ、全てを自分で操作したい場合にも、どのボタンが押されているかを調べて、それに応じて分岐させる、という感じのプログラムを書かないと駄目って事です(サンプルプログラムを流用する手もありますが)。操作系のプログラミングは、同時押しへの対応にやや慣れが必要など、少々クセがある感じですが、面白い。コツを掴めば、コマンド入力や、特定のタイミングでボタンを押した時のみ繋がるコンボなど、色々な機構が実装出来ます。実用的かどうかは、さておくとして。
勿論、操縦系のプログラムの中に、自動制御する部分を組み込む事も出来ます。言うまでもなく、組み合わせ方は自由。こういうマニュアル操作と自動制御を組み合わせたプログラミングは、まだ未知数ではありますが、色々な可能性がありそうです。今作品で、最も興味深い分野かも。
ちなみに、フルマニュアル操作のプログラミングは、実は全自動なプログラムより遥かに組み易く、プログラミングの入門に最適だったりします。これもまた、今作品がシリーズ入門者向けである理由の一つ。
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