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2009/09/12

Commander : Europe at War レビュー

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今回は、改めて Commander Europe at War を紹介しようかと思います。長くなったので、2回に分けて。ゲーム自体は面白いし、Windows や DS なら、例のバグに悩まされずに済むので、何だかんだ言って、お勧めタイトルである事には変わりません。PSP 版以外は。あれから、Windows 版も購入したので、Windows 版のスクリーンショットを交えて紹介します。

まず、最初に。4gamer.net に、Windows 版のデモがアップされているので、気になった方は、取り敢えず実際に遊んでみるのも良いかと思います。時間制限がある代わりに、フルバージョンが遊べます。なお、購入する際の注意点などは次回に書くので、あまり慌てて買わない方が良い、かも。

もう一つ、ついでに。自分はこのゲームのルールが「シンプルだ、シンプルだ」と繰り返し言っていますが、一般的な感覚で見れば、それなりに複雑な部類かと思います。具体的には、「ファイアーエムブレム」とか「ファミコンウォーズ」よりは、それなりに複雑。「アドヴァンスド大戦略」よりは、かなりシンプルです。

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改めて概要から紹介します。CEaW は、第二次世界大戦のヨーロッパ戦線を題材とする、ターン制のウォーゲームです。年代的には1936年から1945年まで、地理的には、ヨーロッパ全体と北米、北アフリカ、中東それぞれの一部をカバーしています。戦争の中でも、戦闘関連に特化した作りになっており、直接戦闘に関わらない政治などの要素については、殆んど何のフォローもされていません。戦争全体を再現するのではなく、大規模な軍事作戦行動を楽しむ事をコンセプトに作られた、という感じです。

国家間の関係は、史実においてはわりと入り組んだものだったのですが、CEaW では「枢軸国」「連合国」「中立国」の3つに単純化されています。プレイヤーは、枢軸側、連合側のどちらかを選び、その陣営の全ての国を操作します。実際には、大国と小国で扱いが違うんですが、細かい話は、今回は割愛させていただきます。

実際のゲームプレイは、戦争全体を上手く運営していく「戦略」要素と、ヘックスで区切られたマップ上でユニットを移動させて、敵ユニットを破壊しつつ進軍する「戦術」要素を合わせ持つ、ハイブリッド型です (つまり、殆どの戦略級ゲームと同じ)。この両者のうち、ルールがより細かく作られているのは、実は戦術レベルの方であり、戦略レベルのルールは、かなり簡素にまとめられています。

例えば、CEaW に登場する資源は「工業生産力」「人的資源」「石油」の3種類しかなく、しかも生産量をコントロールするためにプレイヤーが出来る事は、敵の拠点を占領する事だけです。外交でもプレイヤーに出来る事は殆んどなく、好きなタイミングで中立国や敵陣営の国に宣戦出来るくらいです。(しかも、こちらから宣戦しなくとも、史実とほぼ同じ時期に勝手に参戦してくる)

と書くと、なんだか「戦略ではなく戦術の優劣で勝敗が決まってしまうゲーム」に思えてしまうかもしれません。が、その点はご心配なく。ちゃんと、「細かい部分より、大局の方を優先すべき」というゲーム性になっています。あと、資源の収支バランスが厳しめに設定されている事もあり、戦略レベルでの判断には、結構気を使います。つまり、何だかんだで、ちゃんと「戦略ゲーム」になっています。

……とは言え、やはり「あまりコントロール出来ない」というのがやや難点でして、PC の戦略級ゲームをガンガン遊んできた人は、戦略要素だけだと物足りなく感じてしまうかと思います。

と言うわけで、戦術レベルの話に移ります。既に書いたように、CEaW の戦闘では、ユニットを一つずつ直接操作します。指揮系統のヒエラルキーの概念も無ければ、近接ユニットの支援効果という概念もなく、戦闘は常に1対1で処理されます。その点では、CEaW のルールはかなりシンプルだと言えます。

しかし、その戦闘の処理自体は、様々な要素が絡んだ、凝ったものになっています。特に興味深いものを挙げると、「制圧射撃」(註:殺傷ではなく、反撃させないために動きを封じる事を目的とする射撃) の概念がある、戦車は歩兵より強く地形によるペナルティを受ける、ユニットが弱っている状況で攻撃を受けると自動的に1マス後退する事がある、人的資源が減ってくるとユニットのパラメータが少し下がる、などなど。

勿論、「補給」の概念もきっちり盛り込まれており、戦闘を進める上で重要な意味を持っています。と言うのも、補給が不十分な状況では、戦闘力が落ちるし、失われた兵力の回復も満足に行えなくなるからです。遠征を行う場合、特に海を越えて進出する場合は、補給源 (つまり、敵の都市) を確保する事と、敵ユニットに回り込まれて補給線を切られないよう、注意しながら戦線を前進させていく必要があります。

ルールの中で、個人的に感心したのは、空戦のルールです。爆撃機で地上ユニットを攻撃しようとした場合、敵の戦闘機が近くにあると、その戦闘機が自動的に迎撃しに来ます。しかし、こちらの戦闘機も近くにある場合は、爆撃機の代わりにその戦闘機が敵の戦闘機と戦闘を行います。要するに、いささか簡潔ながらも、ちゃんと制空権の概念が再現されているのです。

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ちなみに、戦闘ユニットの種類は、11種類+司令官ユニットのみと、かなり少なめ。但し、技術開発によりパラメータが成長するし、どのユニットのどのパラメータを重点的に成長させるかはプレイヤーが調整出来るので、ユニットの運営は、さほど単純ではありません。ユニット間の相性、相対的な強さは、ゲームが進行するにつれ、或いはプレイする度に変化します。

……といったところで、今回はここまで。細かい部分は省略していますが、ゲームシステムはこんな感じです。

2回に分けちゃったので、まずゲームシステムについて纏めておくと、シンプルながらにマニアックな要素もきちんと盛り込まれており、良く出来ています。まあ流石に、きっちり細かくルールが作られているのが好きなマニアを満足させられる程ではありませんけど。対戦専用として買うのは有りかも。取り敢えず、マニアックな戦略級ゲームの入門には最適。

あと、このゲームのルールって、実は既存のものが殆んどで、目新しい部分は特にありません。ただ、全体として、CEaW と似たゲームというのは、ここ最近は全く発売されていないんですね。変な話ですが、このゲーム、意外と貴重な存在みたいです。

(9/16追記:続きを書き上げました。)

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