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2005/11/29

Civilization IV AAR その2

前回の最後で書いたように、ルイ 16世率いるフランスによって、遂に戦争の火蓋が切られました。そしてこれは、1000年近くにわたって繰り広げられる戦乱の世の幕開けでもあったのです。

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フランス軍はあらかじめ国境まで兵士を移動させていたため、宣戦と同時にロシア国境内へと侵入してきました。道中の土地にある設備を破壊しながら、Moscow へじわじわと進んで来ています。

一方、こちらは全ての都市にまんべんなく配置していた兵力を、防衛のために最小限必要なものを残し、Moscow へ集結させます。ついでに、幾つかの都市で強力な戦闘ユニットの生産にも取り掛かります。さて、上手く撃退出来るでしょうか?

簡単に壊滅出来ちゃいました。こちらの損害は殆んど無し。何だよ、大した兵力を持ってるわけでも無いじゃん。と、ここで調子に乗った自分は、せっかくだからフランスの都市を幾つか占領しちゃえ、と決めちゃいました。悪い作戦の組み立て方の見本ですね。て言うか、こんなのは作戦と言わん。

この時点で見えている国境線から、フランスの都市がある位置を予測し、自軍をそちらへと向かわせます。そこには Reims という都市がありました。流石にあちらから攻めてきただけあって、しっかり防衛されています。しかし、殆んど損害を出す事なく、陥落させる事に成功。この都市は、今後のフランスからの侵攻を食い止めるのに立地条件が良いので、そのまま自国の都市として管理下に置く事にします。

国境線の形から、この Reims より南にもう一つのフランス都市が存在している事が明確です。こちらを今後の前線基地にされると面倒臭そうなので、ここも制圧してしまいましょう。というわけで、強力な兵士をそちらへ向かわせます。やはり殆んど犠牲を出す事なく陥落に成功。

が、しかし。この都市はあまり立地条件がよろしくない。ロシア側の前線基地としては使えないし、都市の成長の面でもイマイチ。というわけで、自国に組み込む代わりにその場で都市を破壊してしまう事にしました。これが判断ミスであった事に気付くのは、少し後の事です。

とまれ、ここまで殆んど犠牲を出さずに快進撃が出来てしまったものですから、更に調子に乗って、もう少し進撃する事にしてしまいます。 Reims の北西にもう一つ都市があるようなので、そちらへと兵力を向けます。そこにあったのは Lyons (リヨンかな?)。ここでは多少の犠牲が出ましたが、半ば強引に制圧。ここは海岸沿いの都市で、自分はこれまで海岸沿いの都市を持っていなかったため、わりと適当に自国のものとしました。

といったところで戦果に満足し、兵力がやや失われた事もあったので、ルイに停戦交渉を持ち掛けます。既に劣勢となっていたフランスはあっさりと許諾。束の間の平和が訪れます。

これは、停戦から暫く経過した後の状態。こうして見ると、 Lyons が孤立していて、地理的にかなり危険な状態にあるのが分かります....って、あれ? なんか Reims より南の国境線がまた膨らんでるし。フランスがもう新しい都市を建設したか。この場所のどこが、そんなにオイシイんだろう?

と、マップを良く観察してみて気付いたんですが、少し前に破壊した都市のすぐ側で、鉄が採れるんですね。ここで、先程 都市を破壊したのが重大な判断ミスであった事に気付かされてしまいました。何故なら、現時点ではロシア国内に鉄を産出出来る場所が無く、鉄が必要となる強力なユニットを生産出来ずにいたからです。

というわけで、今度はこちらからフランスに宣戦布告します。さっさと新しく作られた都市を制圧。しかし、ここでまた、自分は大きな馬鹿をやってしまいました。実験を兼ねていたとは言え、この都市を再び破壊し、代わりに自分の手で同じ場所に都市を設置する、という暴挙をやってのけました。

と言いつつ、今回の目的は果たしたので、さっさと停戦条約を結ぼうかと思いましたが、ルイは「お前と話す事など何も無い」といって、会談すら受け入れてくれません。仕方が無いので、少し進撃してみる事にしました。もう無茶苦茶です。

その先にあったのは、フランスの首都、 Paris (パリ)。さすがに首都だけあって、相当数のユニットが防衛にあたっています。上手く誘き寄せて兵力を分散出来ないものか、と頑張ってみましたが、ちょっと無理でした。それどころか、下手するとこちらに多大な損害が出てしまいそうな勢いでして。仕方が無いので、時間を置いてルイが会談に応じるのを待ち、停戦条約を結びました。

というわけで、二度目の戦争は完全に失敗です。鉄を押さえたのは結果的に正解でしたが、最初の戦争で適切に対処すれば、わざわざ二度目の戦争を行う必要は無かったのです。

それに、ロシア側から宣戦してしまった事で、眠れる獅子を起こしてしまったのです。

というわけで、戦乱の世は続く。

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2005/11/26

Civilization IV:アフターアクションレポートその1

取り敢えず、プレイ中だったゲームを終わらせましたので、一回のプレイの最初から最後までを、数回に分けてレポートします。なお、当初はレポートを書くつもりが全然無かったし、初回なので結構いいかげんにプレイしていたため、序盤あたりの事はあまり詳しく覚えておりません。ごめんね。

あと、殆んどの画像は、クリックすると画面全体が原寸で見られるようになっておりますので、よろしく。

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まず、指導者としてロシアの Catherine (日本ではエカテリーナ2世と呼ばれる)を選択。第一の理由はスラヴ民族の国家である事(何だそれ?)、第二の理由は、彼女に与えられた文化と経済へのボーナスが、文化での勝利を目指すという今回の目標に合致した事です。

マップ生成スクリプトは Terra。このスクリプトは、二つの大きな大陸を生成し、その片方に全ての帝国を配置する、という特徴を持ちます。つまり、実世界における旧大陸と新大陸の関係が再現されているわけです。アステカ王国が旧大陸にあるとか、大人がそんな細かい事を言っては駄目です。後から思った事ですが、初回に選ぶマップとしては、ちょっとクセが強かったかもしれません。

あと、マップの大きさは small で、ライバル文明の数を一つ減らして 4つに。じっくりと帝国育成を楽しみたかったのでゲームスピードは Epic (註:一番遅い)を選択しました。難易度は、デフォルトから一つ下げて Warlord 。といった感じで、ゲーム開始。

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比較的初期の状態

取り敢えず、一番古いセーブデータから画面写真を撮影してみました。と言っても、もう始まってから結構なターン数が経過している筈ですが。 Moscow(モスクワ)が最初の都市で、 St. Petersburg(サンクトペテルブルグ。レニングラードという名前でもお馴染み)が二つ目の都市です。

余談ですが、この時には既に全てのライバル文明と接触していますね。右下の方に指導者の名前とそのスコアが表示されていますが、これは既に接触した文明のものしか表示されません。

ところで、何故 St. Petersburg をこの場所に建てたのかは、良く覚えておりません。確か、画面を見ると分かるように、東に二つの文明の国境が見えていたんで、彼らにこれ以上 進出されないよう、まずは土地を確保しようと考えたんだと思いますが。

この頃は、あまり帝国の版図を広げず、都市を一つずつじっくりと育成するつもりで遊んでいました。事前の情報で「Civ4 では、あまり都市の数を増やさなくとも、充分に勝てる」といった事を聞いていたんで、それが本当かどうか確認するつもりもあって、そのように。

....と言いつつ、他の文明が版図を広げるのを阻止していたら、意外と速めに都市の数を増やす事になってしまったのですが。

Novgorod 建設

まず、大陸の南端あたりにアラビア(緑色)が新しい都市を建設したので、これを牽制するつもりで第三の都市(Novgorod:ノヴゴロド)を。

Rostov 建設

その暫く後、Moscow の北方にてローマ(紫)とインカ(黄)が足を伸ばして来ているのを発見したため、両者を牽制するために第四の都市(Rostov:ロストフ)を建築。モスクワの文化圏内にあるため、東に見えるインカの都市が、この時 既にかなり可哀想な事になっておりますな。

実は、同じ頃に当方からフランス(青)も迫っていたのですが、良さげな土地が見当たらなかった事と、これ以上都市を増やしたくなかった事から、取り敢えず打ち止め。暫くはこの状態が続きます。

という状況なので、いい加減そろそろ戦争が起こるかなー、とちょっと心配していたんですが、起こりませんでした。既にあちこちで指摘されているけど、 Civ4 の AI は、序盤は戦争を避ける傾向が強いみたいです。まあ、単にそういう性格の AI (文明の指導者)が集まっただけかもしれませんけど。というわけで、思い切り太平の世を満喫しつつ、マイペースで帝国の発展を続けます。

正直に言うと、この頃はあまり計画を立てずに、かなり雑なプレイを続けていました。都市の設備も、早く建築出来るものから順番にガンガン建てていく、という感じで。外交も、気に入らない提案は全て拒否するなど、傍若無人に突っ走っておりました。当然ながら、他の全ての文明からロシアの事を気に食わない、と思われてしまう羽目に。

ただ、技術開発に関しては、一応ちゃんと文化に影響があるものを優先させていたので、例えば二つの宗教の創設者になってみたりと、なかなかにアレな状況に。この点では、他の文明を圧倒していました。この事もあって、外交を軽視しちゃったんですが、別に戦争が起きる気配もないし、スコアでも圧倒的に勝ってるからいいや、と軽く流しておりました。

しかし、やはりと言いますか、戦争の足音はすぐそこまで迫っていたのです。

フランス軍の進出

ある時、Moscow 西方にて、奇妙な動きが見られました。フランスとの国境あたりに、突然フランスの兵士ユニットが姿を表したのです。これは、もしや....? と考えたのも束の間、フランスがロシアに対して宣戦布告して来ました。すぐさまに内政方針と生産態勢を戦時中に相応しいものに切り替え、迎撃態勢へと移ります。

そしてここから、1000年以上の長きにわたる戦乱の世が幕を開けます。

-- 続く --

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2005/11/24

Civilization IV のパッチがリリース

以前から「そろそろ出る」という話のあったパッチがようやく公開されたため、急遽その話をアップする事にしました。

なお、今回のパッチによる変更点は、ひろせ あきら氏が纏めておられるので、そちらをどうぞ。
ひろせ あきら氏によるパッチの解説

これだけ変更点が多いパッチだと、大抵はセーブデータの互換性が無かったりするんで、取り敢えず現在のゲームが終わるまでスルーしておこうか、とも思ったのですが。なんか、海外の掲示板を覗いてみたところ、旧バージョンでのセーブデータもちゃんと読めるらしいので、思い切って導入してみました。

結論から言うと、少し遊んだ限りでは何の問題も無いようです。ただ、技術開発コストなど、一部のパラメータが修正されているので、その辺で不都合と言うか、ちょっぴり不平等な状況が生じるかもしれません。

なお、ゲームが始まるまでの時間は、はっきりと体感出来る程度に短くなっています。その一方で、プレイ中のパフォーマンスについては、正直言って改善されたのかどうか、はっきりしません。ちょっと検証が足りないんで、もう少し遊んでみないと何とも言えませんが。

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Civ4 における戦争の実装 その2

前回は戦争のかなり大局的な部分を解説しましたが、今回はもう少し細かい部分を見て行きます。

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Civ4 の戦争は、宣戦布告が出された時点で始まり、休戦協定が結ばれた時点で終結します。システム上の時間制限はありません。なので、例えばダラダラと戦争状態を続けていく事も、望むなら可能ではあります。

でも、特に侵略する側は、可能な限り戦争を早く終わらせる(目標を達成する)べきですね。戦争が長引くと補給費などのコストが増えるし、前回述べたように、相手側の反撃が強くなり、損害が大きくなる事も懸念されます。という事はつまり、戦争が長引くほどに戦争の「利率」が低くなるという事です。(註:一応補足しておくと、じっくりと攻略した方が良い状況もある)

要するに、無理をするな、深追いをするな、って事です。基本的に、戦争では欲を出すと失敗します。時には、目標が達成出来ていなくても、撤退する事がベストな選択となり得ます。勿論、そのような事態そのものを可能な限り避けるべきですが、やはり全てが自分の想定の範囲内で動くわけではありませんので。

なお、意外に思うかもしれませんが、戦争は出来るだけこちらが圧勝している状態で終わらせるのが望ましいです。負けそうになるまで進撃を続けるのは、あまり良い考えではありません。何故かと言うと、戦争は「休戦協定が結ばれるまで終わらない」からです。つまり、こちらが圧勝している時の方が、相手側も休戦協定を受け入れ易い。(註:正直に告白すると、現時点では実体験が足りないので、断言は出来ない)

というわけで、 Civ4 の戦争はかなりシビアな判断を要求されるものとなっています。「戦争には勝ったのに、結果的には損した」という事態になりかねないのが、このゲームの怖いところであり、面白いところでもあるのです。ただ、このシビアさは、あくまで「頭を使わないと戦争から利益を得られない」という類いのものであって、難易度が高いというわけではないです。難易度設定にも依りますが、多少のミスであれば充分に挽回が可能でしょう。

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話は変わって、軍事面 以外での勝利を目指し、自分からは積極的に侵略しない場合について書いていきます。

端的に言うと、本当に防衛だけに徹するのであれば、侵略していくのよりは「気が楽」です。ある程度 考えて下準備をしておけば、そこそこに戦力差があっても意外とどうにかなっちゃうんですね。

ただ、侵略部隊を壊滅させれば相手に痛手を与えられる == 間接的にはこちらに利益が出る、と言えなくもないんですが、放っておくと態勢を立て直しの後に何度も攻めて来られたりして、欝陶しいです。何だかんだ言っても、それで計画に遅れも出るでしょうし。というわけで、どうせなら相手の都市を幾つか奪っておきたいという方向へ、自然と考えが流れていくわけです。

それに、相手から宣戦された時に相手の都市を略奪するのは、外交面にも殆んど悪影響を与えないので、ある意味では領土拡大のチャンスです。このチャンスを逃がす手は無い....と言いたいところですが、ここでもやはり、目の前にある餌に釣られてはなりません。

前回書いたように、領土を拡大する事にはデメリットもあります。また、それ以前の問題として、自分から侵略してくるような連中は、自分の都市の守りもかなりガッチリと固めている事が殆んどで、生半可な兵力では、例え都市を奪えても多大な損害を出す事になるでしょう。

勿論、大きなリスクを背負ってでもその都市を陥落させる価値がある、という状況はあります。あと、結局のところは、何度かライバルの都市を占領して奪う事になるでしょう。しかし、全体として「可能な限り領土の拡大を控える」という方針は変えるべきではないでしょう。

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というわけで、戦争の話は終わり。これで、例えば「信長の野望」とは全然違う趣向のゲームなのだ、という事が分かっていただければ良いんだけど。失敗しちゃったかしら?

次回は、現在プレイ中のゲームをレポートしてみようかと思ったり。

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2005/11/22

Civilization IV における戦争の実装:その1

というわけで、休憩を挟んで、これから暫くはまた Civ4 の話題に戻ります。

で、今回は戦争の話。 Civ4 の中で、戦争がどんな工夫を凝らしてシミュレートされているのかを解析していっちゃいますよー。

Civ4 は必ずしも「戦争を楽しむゲーム」ではありませんが、現実世界と同様、限られた土地(と資源)で激しい競争を繰り広げるわけですから、どうしても戦争は「不可避」です。どれだけ頑張って平和主義指向でプレイしても、一度も戦争に巻き込まれずに済む事は殆んど無いので(有り得ない、という程では無いのですが)、少なくともある程度 戦争への対策を講じておく事は必須です。

Civilization シリーズの戦争における最大の特徴は、戦時中であっても内政や外交などが展開していくため、これらも戦争の行方に大きな影響を与える事でしょう。例えば、宣戦されてすぐに内政を軍事ユニットの量産に最適化すれば、開戦時の戦力不足をある程度フォローする事が出来ます。また、戦争が全然進展していない段階で、第三者が乱入してくる可能性もあります。一番痛いのは、途中で敵が新しい戦闘ユニットを生産出来るようになってしまう事でしょうか。軍事力のバランスが大きく変わるんで、計画の大幅な変更を余儀無くされます。

Civlization シリーズでは、手持ちの軍事力でどう勝つかという事より、こういった部分の方を重視して考えなければなりません。強力な軍隊を作る事しか考えていないと、わりと早い段階で痛い目を見る事になるでしょう。特に Civ4 ではこの傾向が強いです。

それはさておき。 Civ4 の侵略戦争においてまず覚えておくべきなのは、戦争が瞬間的に多大なコストを要する一方で、獲得した都市からの利益は少しずつしか得られない、という事です。つまり、掛けたコストをペイするには、その都市を長期にわたって自分の庇護下に置いておく必要があるし、あまり立て続けに戦争を行うと、徐々に経済面で苦しくなってきます。

と言っても、都市が増えれば多少でも利益が増えるのだから、上手にどんどん侵略を進めた方が有利なのでは? と思われるかもしれません。と言うか、前作の Civ3 はそうでした。しかし、 Civ4 では「都市の維持費」というルールが採用されたため、この理屈も通用しなくなりました。

簡単にだけ解説すると、自国領の都市数が増えるほど、一つ都市が増えた時の維持費の増加が激しくなります。その一方、占領したばかりの都市は住民が反発的なので、すぐさま利益を産出するわけではありません。つまり、多かれ少なかれ、赤字の期間が存在するのです。

そういうわけで、あまり早急に侵略を続けると、どんどん帝国全体の経済を圧迫し、放っておくと経営が破綻するまでに至ります。まあ、それはやり過ぎとしても、早急な領土拡張は帝国全体の成長をかなり遅らせ、ライバルに付け入る隙を与えてしまいます。

それに、領土が拡大して国境線が長くなると、領土を保守する事自体が大変になり、より多くの軍事力が必要となります。つまり、悪化した経営状態で、軍備を拡張、維持しなければならないのです。軍事拡張路線のスタイルでプレイする場合、こういった様々なバランスを考えながら侵略するタイミングと規模を決めるのが、基本中の基本セオリーとなります。

が、しかし。長期的に見れば、実は早く都市を増やした方が得られる利益が大きくなるし、途中の成長の遅れも最終的に取り戻せます。つまり、早急に領土を拡大するのにも、ちゃんとメリットがあるわけです。勿論、これは途中の段階でしっかり領土を保守出来ればという条件付きでの話で、ハイリスク ハイリターンな戦略です。リスクを減らして安定した成長を目指すのか、リスクを承知の上で大きな利益を求めるのか。それは、プレイヤー次第であり、また状況次第でもあります。

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長くなったので、次回に続きます。

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2005/11/15

Civilization IV とは、そもそもどういうゲームなのか?

最初にニュース。Civ4 って、3D グラフィックエンジンの都合でマックには移植されないんじゃないかなーと、ほぼ断定しちゃってたんですが、出るじゃん。意外すぎ。発売予定は来年の年頭ですって。

閑話休題。何と言うかアレですね。システムの解説に関しては、自分が頑張ってグダグダ書くより、ひろせ あきら氏のサイトを読んでもらった方が百倍マシって感じですな。というわけで、今後は方向性を変更して、Civilization を知らない人を泥沼に落としてしまえるよう、概論とか感想とか、そういう部分を扱う事にします。

ひろせ あきら氏の Civ 系ゲーム関連ページ

そういうわけなので、今回は予定を変更して、そもそも「Civilization IV とは、一体どんなゲームなのか?」という話題。

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Civilization は、一言で表現すると「歴史シミュレーションゲーム」です。時間軸で言えば、石器時代の末期からほんの少し近未来に至るまでの人類(文明)の歴史が、ゲームとして面白くなるようアレンジされた形で、展開します。なお、舞台となるマップが毎回ランダムに生成されるなど、現実の歴史が写実的に再現される、という展開にはまず間違いなくなりません。実際に歴史を動かしてきた理屈を元に、リアルな「架空の歴史」を構築して遊べるというのが、このシリーズの基本コンセプトです。

プレイヤーの目的は、自分の「文明」を上手く運営、管理して、他のライバル文明との競争に勝つ事です。つまり、高名な「シムシティ」のように、プレイヤーが好きなように目的を設定して楽しめるゲームではなく、あくまで競争に勝つ事を目的として楽しむゲームです。理由は追々書いていきますが、戦争ゲームというよりも、競争の概念がある「経営シミュレーションゲーム」と言った方がしっくり来るでしょう。

ここで面白いのは、勝利を掴むまでの道程、手段が幾つも用意されている事です。普通の戦略ゲームのように、他の文明を軍事力で制圧していくという手段が使える一方で、例えば「最も優れた文化圏を構築した」事でも勝利を収められます。他にも、科学技術や外交といった分野で勝利を収める事も可能となっています。

具体的には、分野ごとに一つずつ「勝利条件」が用意されていて、そのどれかを最初に達成した文明が、そのゲームで勝利したと見なされます。つまり、勝利条件は幾つもありますが、分野毎に個別の勝者が判定されるわけではなく、評価されるのはあくまで一人だけ。

それ故に、例えばプレイヤーが文化での勝利を目指す場合には、他の文明の「文化的な進歩」だけでなく、軍事力や科学技術といった分野での成長にも目を配り、時には上手く牽制する必要があります。

なお、Civ4 ではプレイ開始前の設定で、気に入らない「勝利条件」を無効にする事も出来ます。なので、軍事面での勝利以外を全て無効にして、シンプルな競争を楽しむ事も出来ます(まあ、それでも攻略法が単純化されるわけじゃありませんけど)。

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というわけで、 Civization シリーズはライバルと競いながら自分の文明(と言うよりは帝国)を発展させていくゲームなのですが、そのゲームシステムとして組込まれた要素の中で、ひときわ面白いのが「外交」です。これのお陰で、Civ4 は単にライバルより早く自国の国力を延ばして行けば良い、というゲームでは無くなっています。

詳しくはまた後の機会に書きますが、 Civ4 の外交は、変な表現ですが、相当に「手強い」です。例えこちらが軍事力で優勢に立っていても、高圧的な態度に出て大丈夫とは限らない。と言うか、あまり高圧的な態度には出られません。軍事力で優勢に立っている状態は他の(全ての)文明の反感を招き易く、下手すると自分の文明だけが外交的に孤立して、他文明の連合から一斉に宣戦布告される、という結果を招きかねません。かと言って、こちらが下手に出てばかりでは、相手に塩を送るだけで無意味です。

誤解を避けるためにフォローしておくと、これは「丁度良いさじ加減に調整する必要がある」という意味ではありません。選択肢が多く用意されている中で、どれが正解かは状況に応じてコロコロ変わるんです。だから、状況を正確に把握して正解を導きだすのが楽しいのであり、また裏の顔と表の顔を上手く使い分ける必要のあるシニカルさが楽しいのであります。

敢えて乱暴にまとめると、 Civ4 では国力に差がついたからといって楽になるわけではなく、むしろ新たな困難が待ち受けているわけです。これには、一度差が付いたら巻き返せないという状況を回避するものという役割があり、ゲームデザイン、ゲームバランスという視点でとても重要な要素であるのですが、率直に言って、そういう理屈を抜きにして面白いです。スゲむかつくけど。

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といったところで、今回はここまで。次回こそは、前回の予告通り、戦争についての文章を書いてみたいです。

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2005/11/08

Civ4 戦闘ルールの解説 その2

前回の続き。

これまで書いたように、これまでの Civilization シリーズにおける「攻撃力」とは、相手に与えるダメージの多さではなく、言わばジャンケンの勝率を決めるためのものでした。というのは、ジャンケンに勝った時に与えるダメージが、攻撃力の高さに関わらず一定だったからです。

しかし、Civ4 では、攻撃力によって相手に与えるダメージ量が変化するようになりました。但し、実際にダメージ量を決めるのは、「両者の攻撃力の差」です。シヴィロペディアによると、両者の攻撃力が同じ場合は、相手に 20% のダメージを与えられます(つまり、ジャンケンで五回先取した方が勝ち)。しかし、相手より攻撃力が低い場合はダメージ量が少なく、逆に攻撃力が高い場合はダメージ量が増えます。どの程度変化するのかは、どこにも書かれていないので不明(ソースコードを読めば分かるのかな?)。

要するに、相手より攻撃力が低いユニットは、ただでさえジャンケンの勝率が相手より低いところに、相手より数多くジャンケンに勝たなければならないのです。そういうわけで、攻撃力の低いユニットが戦闘で勝つ確率は、過去の Civ シリーズと比較して低くなっています。攻撃力にかなりの差がある場合、それこそ神風でも吹かなければ勝てないでしょう。

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さて、ここから趣旨が少し変わります。前回書いた防御効果のルールだけを見ると、防御側が圧倒的に有利であるかのように思えてしまったかもしれません。しかし、実際にはちゃんとそれに対する対抗策が用意されています。つまり、上手く戦えば、或いは慎重に準備を進めれば、攻撃側の方が有利に戦争を進める事も可能です。と言うかまあ、物量で押すしかない戦闘など、面白くも何ともありませんからねぇ。

とまれ。まず最初にポイントとなるのが、ユニット間の相性です。幾つかのユニットは、特定の種類のユニットに対して強い(攻撃力が上がる)という特徴を持っています。例えば、槍兵は騎馬兵など機動系のユニットを相手にする時に、攻撃力が二倍になります(ちなみに、槍兵が防御側であっても同様)。これだと、防御効果を含めても、大抵の場合では攻撃側の槍兵の方が勝ち易い状況になります。

詳細は割愛しちゃいますが、このように Civ4 では、どのユニットにどのユニットを攻撃させるか? という判断がかなり重要となります。強力なユニットを量産するだけでは駄目で、多くの種類のユニットを混在させて、なおかつそれらを上手く利用していかなければ、勝てません。

話は変わって、 Civilization シリーズでは、一つのマスに幾つものユニットを重ねて置く事が出来ます。このマスに敵が攻撃を仕掛けて来た場合、最も勝率の高いユニットが自動的に選ばれて反撃を行います。つまり、一つのマスに数種類のユニットを配置して防御させる、という戦術が使えるわけです。しかし、これにもちゃんと対応策が用意されています。その対応策とは、同じマスにいる複数の、時には全てのユニットに同時にダメージを与えられるユニットの存在です。まあ、これ以上書く必要は無いでしょう。それでも一応、一つのマスに複数のユニットを置く戦術は、やはり有効です。でも、使いどころを考える必要があります。

また、こういったユニットの多くは、街が持つ防御効果を弱める特殊な攻撃手段も持っています。街はそのマスに多大な防御効果をもたらしますが、かと言って街の上でじっと待っていると、防御効果をじわじわと剥がされて、逆に追い詰められてしまいかねません。また、敵に街の周囲にあるマスの上にユニットを置かれると、そのマスから食料などを収穫する事が出来なくなります。なので、街の周囲を包囲されてしまうと、食料不足による飢餓が発生する、いわゆる「兵糧攻め」されている状態に陥ってしまいます。

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というわけで、実際にはさほど防御側が有利というわけでも無いです。あらかじめ防衛体制を敷いていなければ軍事大国に蹂躙されてしまうし、きちんと頭を使って戦争を進めていかなければならないのは、防御側も同じ。

それでも、例えば敵国の領土にどんどん侵攻していかなければならない場合と、取り敢えず攻めてくる敵軍を追い返せば良い場合では、後者の方が多少はラクです。軍事拡張路線でプレイする場合、これまで以上にシビアな戦略的、戦術的判断が求められます。

というわけで、次回はこういう戦争の特徴がゲーム全体にどういう影響を与えているのか、という点について書いてみましょうかね。

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2005/11/06

Civ4 戦闘ルールの解説 その1

と言うわけで、ゲームシステムに関する話に戻ります。今回は、オンラインマニュアルである「シヴィロペディア」を読んで、ようやく概要が掴めた、戦闘システムについての話。なお、今回の話は以前のシリーズを知らなくても理解出来るかと思います。Civilization シリーズの戦闘システムは、ちょっと個性的で面白いので、興味がある人は是非。

本編の前に。話を単純化するために、ここでは「地上兵器ユニット同士の戦闘」に話題を絞らせて頂きます。航空ユニットには特殊なルールがあったり、マップ上の施設を破壊したり、といった部分は取り敢えず省略。戦争をする上で重要な部分ではあるのですけど。

まず最初に、 Civ4 の戦闘は、一部の例外を除き、一対一の状態で行われます。また、これも一部の例外がありますが、一回の戦闘では必ずどちらかのユニットが全滅します。もう少し具体的に言うと、どちらかの耐久力がゼロになるまで、一回の戦闘の内部で繰り返し攻撃が行われる、という事です。

なお、戦闘はユニットが敵対する国のユニットが居るコマに侵入した時に発生します。ここで重要なのは、攻撃側(移動して侵入した側)と防御側(始めからそのコマに居た側)で、明確な立場の違いがある事です。ルールに明文化されているわけではありませんが、攻撃側が移動しながら別のコマに侵攻しているのに対し、防御側はその場で待ち伏せて敵を迎え撃っているのだ、と考えていただいて間違いないでしょう。

それはさておき、 Civ シリーズの戦闘は、まず攻撃側と防御側のどちらが攻撃に成功したかが判定され、成功した方が相手に一定のダメージを与える(つまり、勝った方は無傷)、という仕組みで処理されています。感覚的には、ジャンケンで先に何回か勝った方が勝ち、といったところ。但し、ジャンケンと違って、両者が勝つ確率が五分五分というわけではなく、強い方がジャンケンで勝ち易くなっています。

この、「ジャンケン」の勝率を決めるのが、攻撃力です。端的に言っちゃいますと、お互いの攻撃力が同じならジャンケンの勝率が五分になるし、片方が 6 で別の方が 1 なら、 6:1 の確率で前者が勝つ、という事です。

ちなみに、前作の Civ3 まででは、防御側は攻撃力の代わりに「防御力」のパラメータを利用していました。つまり、 Civ シリーズの防御力とは、相手の攻撃を軽減する力ではなく、「待ち伏せ」した時の(言い換えると、反撃する時の)攻撃力という意味です。というわけで、攻撃力が 1 で防御力が 4 のユニットというのは、こちらから侵攻した際には殆んど勝てないけど、待ち伏せに使うとかなり強い威力を発揮します。余談ですが、自分はこの感覚が好きだったので、 Civ4 でルールが改変されてしまったのは、ちょっと残念にも思います。

とまれ、実際にはユニットのパラメータとして設定された数値がそのまま使われるわけではありません。地形などにより、攻撃力に補正が掛かるからです。幾つか例を挙げると、森林では防御側の攻撃力が 50% 加算されますし、防御体制を敷く事で更に攻撃力を高める事も出来ます。また、河川越しに攻撃を仕掛ける場合、攻撃側の攻撃力は少し低下してしまいます。

と、これを読むと「なんか防御側に有利な事ばかりで、不公平なんじゃないか?」と思われたかもしれません。ええ、実際その通りです。てか、現実の戦争においても、侵攻する側の方が状況としては不利だし、勝つためにより気を使うものなんですよね。つまり、この仕様は別に理不尽なものではないです。それに、安易に好戦的な戦略を採れなくなった事は、 Civ シリーズに関してはプラスに働くでしょう。

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えー、まだまだ書けていない事が多いんですが、長くなっちゃったので、今日はここまで。次回に続いちゃいました。

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2005/11/03

Monty Python's Civilization IV

今回は、ゲームのルールではないけれど、プレイする上で大きな影響を与える要素について紹介します。

まず、ゲーム開始時に「ゲームの進行速度」を三段階に調整する事が可能になっています。例えば、速度を遅くすると都市の人口増加に必要となる食料の数が増えるため、都市が発達速度が遅くなります。同様に、ユニットの生産、技術の開発コストなども増えるので、全体的に文明の発達速度が遅くなります。その代わり、ゲーム終了までのターン数が増えます。

ちょっと面白いのは、ユニットの移動速度など、一部のパラメータはこの速度設定の影響を受けない事です。大雑把に言うと、進行速度を遅くすると、ゲーム展開がやや間延びする代わりに、戦闘などの難易度がやや低下する、逆に速度を速めると、スピーディーな展開を楽しめる代わりに、戦闘などでのユニット移動がややタイトになる、といったところでしょうか。

それに加えて、 Civ4 ではゲーム開始時の時代を選択する事も出来るようになっています。開始する時代を遅らせると、その時代までのほぼ全ての科学技術と、時代に見合った幾つかのユニットが最初から用意されている状態でゲームが始まります。なお、最初から発達した都市を所持しているわけではなく、やはり開拓者ユニットを使って街を作るところから始める必要があります。

この機能は、主にマルチプレイを手軽に遊ぶのに役立ちそうですが、シングルプレイでもちょっと面白い遊び方が出来そうです。

最後に、マップ生成について。 Civ4 では、従来と違い、自動マップ生成ルーチンが複数用意されており、それぞれが異なった個性を持つマップを生成するようになっています。加えて、それぞれのルーチンに対し、マップの大きさなど幾つかの要素を調整するオプションが用意されています(この辺りは、従来と似ています)。ここまでの話は、単純に生成されるマップのバリエーションが増えた、と捉えていただいても問題ありません。

ここで注目したいのは、これらマップ生成ルーチンが全て、 Python で書かれている事です。最初は核となる部分だけは C言語のルーチンで処理しているんじゃないかと思ったのですが、自分が確認した限り、全てを Python だけで処理しています。更にマップ生成ルーチンに関しては全てがソースコードがそのまま使われているため、マップ生成ルーチンを自作したり、改変したりが自由に行えます。

なお、前回書いたように、具体的にゲームシステムを実装している部分は殆どが Python で書かれています。しかし、その多くは中間言語にコンパイルされたファイルとなっているため、プログラムを読んだり改変する事は、不可能ではないが、相当に難しいでしょう。平たく言うと、「現時点では」サポート外。何故「現時点では」なのかと言うと、今後いわゆる SDK が公開される予定になっており、恐らくそのパッケージでソースコードが公開されるだろうからです。そこらへんの改造が解禁されるのは、まだちょっと先。

では逆に、何故マップ生成ルーチンなど、一部だけはソースコードが剥き出しになっているのか。端的に言うと、「SDK を公開するまではマップ生成ルーチンなどで遊んで、心の準備をしていて下さいね」という事です。最初からソースコードをあらかた公開してしまうより、徐々に改造できる部分を追加していった方が、 MOD コミュニティを育てる上で適している、という判断が有ったのでしょう。

何が言いたいのかというと、 Civilization IV というゲームが、単に人気シリーズの最新作というだけでなく、かなり野心的なプロジェクトだ、という事です。まあ、特に斬新な手法を採っているわけじゃないんですが、取り敢えず Civilization のようなゲームでこのような試みが成された事は、純粋に興味深いと言えるんじゃないかと。

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2005/11/02

Civ4 : 技術系の情報

今回は、少し予定を変更して、バグなどを含む技術面の話を。

と言うのも、掲示板でのユーザーの反応を見てみると、いわゆるバグなどに悩まされている人が相当多いようなので、その辺のフォローをまずしておいた方が良いかと思いまして。こういった問題について、既に日本語で情報を纏められている方が居たので、そちらへのリンクを紹介しておきます。

ひろせ あきら氏による Civ4 の不都合を纏めた文章

完全に把握しているわけじゃないんですが、どうもウィンドウズ XP でビデオカードが Radeon な人達は本当に大変な思いをしているようで。まあ、半分くらいは ATI のドライバ側の問題なんじゃないか、とも思いますが。

しかし、DirectX が、Civ4 の CD-ROM に収録されているバージョンでないと駄目な事がある、ってのは何だかな。(註:伝聞ですが、どうも DirectX SDK にのみ収録されている、特殊なバージョンが入っているらしい)

ちなみに、これだけの混乱が発生している理由の一つとして、Civ4 がこの手のゲームとしては非常に高いスペック(マシンパワー、OS などのバージョン共に)を必要とする、というのも有るんじゃないかと思われます。ストラテジー系ゲームを中心に遊ぶ人にとっては、かなり敷居が高いのかも。

で、自分の所ではどうなのかと言うと、実は何の問題も無く動作しております。今のところ。「後半に不都合が発生するようになった」と言う話も聞くので、まだ安心は出来ないけど。


余談ですが、Civ4 は非常に高いカスタマイズ性を実現するために、プログラムの多く、例えばインターフェイス関連は完全に、Python で書かれています。そのためか、ほんの少し動作がもっさりしているような印象があります。なんか、一つコマンドを実行した後とか、あちこちで微妙な間があるんですね。慣れると気にならない程度だとは思いますが、購入を考えている人は一応心に留めておくと良いかと。

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