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2005/11/22

Civilization IV における戦争の実装:その1

というわけで、休憩を挟んで、これから暫くはまた Civ4 の話題に戻ります。

で、今回は戦争の話。 Civ4 の中で、戦争がどんな工夫を凝らしてシミュレートされているのかを解析していっちゃいますよー。

Civ4 は必ずしも「戦争を楽しむゲーム」ではありませんが、現実世界と同様、限られた土地(と資源)で激しい競争を繰り広げるわけですから、どうしても戦争は「不可避」です。どれだけ頑張って平和主義指向でプレイしても、一度も戦争に巻き込まれずに済む事は殆んど無いので(有り得ない、という程では無いのですが)、少なくともある程度 戦争への対策を講じておく事は必須です。

Civilization シリーズの戦争における最大の特徴は、戦時中であっても内政や外交などが展開していくため、これらも戦争の行方に大きな影響を与える事でしょう。例えば、宣戦されてすぐに内政を軍事ユニットの量産に最適化すれば、開戦時の戦力不足をある程度フォローする事が出来ます。また、戦争が全然進展していない段階で、第三者が乱入してくる可能性もあります。一番痛いのは、途中で敵が新しい戦闘ユニットを生産出来るようになってしまう事でしょうか。軍事力のバランスが大きく変わるんで、計画の大幅な変更を余儀無くされます。

Civlization シリーズでは、手持ちの軍事力でどう勝つかという事より、こういった部分の方を重視して考えなければなりません。強力な軍隊を作る事しか考えていないと、わりと早い段階で痛い目を見る事になるでしょう。特に Civ4 ではこの傾向が強いです。

それはさておき。 Civ4 の侵略戦争においてまず覚えておくべきなのは、戦争が瞬間的に多大なコストを要する一方で、獲得した都市からの利益は少しずつしか得られない、という事です。つまり、掛けたコストをペイするには、その都市を長期にわたって自分の庇護下に置いておく必要があるし、あまり立て続けに戦争を行うと、徐々に経済面で苦しくなってきます。

と言っても、都市が増えれば多少でも利益が増えるのだから、上手にどんどん侵略を進めた方が有利なのでは? と思われるかもしれません。と言うか、前作の Civ3 はそうでした。しかし、 Civ4 では「都市の維持費」というルールが採用されたため、この理屈も通用しなくなりました。

簡単にだけ解説すると、自国領の都市数が増えるほど、一つ都市が増えた時の維持費の増加が激しくなります。その一方、占領したばかりの都市は住民が反発的なので、すぐさま利益を産出するわけではありません。つまり、多かれ少なかれ、赤字の期間が存在するのです。

そういうわけで、あまり早急に侵略を続けると、どんどん帝国全体の経済を圧迫し、放っておくと経営が破綻するまでに至ります。まあ、それはやり過ぎとしても、早急な領土拡張は帝国全体の成長をかなり遅らせ、ライバルに付け入る隙を与えてしまいます。

それに、領土が拡大して国境線が長くなると、領土を保守する事自体が大変になり、より多くの軍事力が必要となります。つまり、悪化した経営状態で、軍備を拡張、維持しなければならないのです。軍事拡張路線のスタイルでプレイする場合、こういった様々なバランスを考えながら侵略するタイミングと規模を決めるのが、基本中の基本セオリーとなります。

が、しかし。長期的に見れば、実は早く都市を増やした方が得られる利益が大きくなるし、途中の成長の遅れも最終的に取り戻せます。つまり、早急に領土を拡大するのにも、ちゃんとメリットがあるわけです。勿論、これは途中の段階でしっかり領土を保守出来ればという条件付きでの話で、ハイリスク ハイリターンな戦略です。リスクを減らして安定した成長を目指すのか、リスクを承知の上で大きな利益を求めるのか。それは、プレイヤー次第であり、また状況次第でもあります。

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長くなったので、次回に続きます。

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