The Longest Journeyも終わった事だし、久し振りに溜ってるアドベンチャーをこなしていくかー、と意気込んで Syberiaというゲームを始めました。て言うかもう終わりました。ちょっと、あっけ無さすぎたかなー。てか、TLJが長過ぎ、ってのが正解なんでしょうな。まあ、とまれ、取り敢えず感想文を。
物語
フランスの片田舎にある Voralberg社は、精巧に作られたオートマタ(自動人形)で世界的に名を知られた玩具会社だった。彼らの手によるオートマタは、ゼンマイや歯車といった、今となってはアナクロな技術のみで作られているにも関わらず、まるで人間であるかのような滑らかな動きを見せ、更に一部の人形は、自らの意思を持つとも言われている。しかし、一部のコレクターなどには未だに高く評価されているものの、一般消費者には受け入れられず、経営の面では非常に苦しい状態に陥っていた。そのため、現社長である Anna Voralberg女史は、アメリカの多国籍玩具企業である Universal Toys Inc.社との合併を決意、これを推し進めていた。
弁護士の Kate Walkerは、この合併話の最後の仕上げとして書類に Anna本人のサインを貰うため、NYCから Voralberg社のある Valadilene村に来た。仕事はすぐ終わるかと思われたが、村に到着してみると Anna Voralberg女史の葬儀が行われていた。それでも、生前に本人の了承を得ている事と、係累(相続人)が居ない事から、Voralberg社の専属弁護士にサインを貰えば、合併は無事完了する筈だった。しかし、弁護士によると、死んだと思われていた Annaの弟 Hansは、実はまだ遠いシベリアの地で生きているのだと、Anna本人が死の直前に告白したのだという。もしそれが本当なら、彼が会社の正統な相続人という事になり、彼のサイン無しで合併を完了させる事が出来ない。もし嘘だとしても、彼の生死を確認する必要がある。
こうして、工場に一体だけ残されていたオートマタの Oscarと共に、彼女は Hansの足跡を追う奇妙な旅に出発する事になる。そしてこの旅は、彼女自身の人生と価値観を大きく変える旅となるのだった。
レビュー
まず最初に。既に続編の Syberia IIが発売されておりますが、この二つは言わば「前・後編」の構成になっており、一作目だけでは物語が完結しません。購入する前からこの情報を掴んではいたんですが、正直に言って、あれほど中途半端な形で放り出されるとは思いませんでした。物語自体はかなり面白いんですけど、途中でいきなりブチッと切られちゃいます。「そろそろ、この旅も終わりに近づいてきたかな」と思った直後にエンディングでした。この辺がちょっとね。
そういう部分を除けば、物語はかなり面白いです。少なくとも、ちゃんと後編を遊んで、最後までこの物語を追い掛けたいと思えました。ただ、あまり表面には出ていないんですが、全般的にトーンはかなり重苦しいです。詳しい話は、またいずれ。
ただ、パズルに関わるシナリオ展開と言いますか、状況設定はかなり強引に思います。いかにも「アドベンチャーゲームだから、パズルを解かないと先に進めないように作ってみました」的な匂いが、かなり露骨に感じられてしまうのです。The Longest Journeyも似たようなものではありましたが、Syberiaの方がより露骨、だと思います。
パズル自体は、全般的にはわりと面白かったです。「何故か、この装置はパズルっぽく設計されていますので」といった露骨なパズルは殆んどありませんでしたし。ただ、何カ所か、総当たり(試すべき数は少ないです)でしか先に進めない部分、逆に言うと総当たりだけで進めてしまう箇所があって、その辺はあまり気に入っておりません。ていうか、こんなのパズルじゃないよね。
難易度は、比較的易しい部類に入ります。幾つか難しめの謎がありますが、考えるべき事をかなり絞り込めるので、落ち着いて考えれば、どうにかなるレベルだと思われます。ただ、会話のログが一切残らないので、サラッと聞き流してしまいそうな「あるヒント」を忘れてしまうと、詰まってしまうかも。あと、会話の順番(フラグ立て)や、移動可能な場所に気付かなかったとか、そういった部分で詰まる事はあるかもしれません。
まとめ
とりあえず、日本語版が発売されていますし、久し振りにアドベンチャーゲームを遊んでみたい、と思っている方には素直にお勧め出来ます。ただ、海外では非常に高い評価を受けているんですが、個人的には「傑作」とまでは行かないか、という感じです。物語や雰囲気が相当に良い一方で、惜しい部分がかなり多いんですよね。
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