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2004/08/20

Harry Potter and the Prisoner of Azkaban

何だかんだ言って見ちゃったよ。で、結論から先に書くと、映画としての面白さは全く期待していなかったので、見て損したとは思いませんでした。

何故、期待をしていなかったのに見たのかと言うと、「一度だけ、あのビジュアルを映画館の大画面で味わっても良いかな」と思っていたからです。ビジュアルってのは、英国の、人里から隔離された場所にある寄宿舎とか、魔法っぽい映像効果とか、その辺です。ええ、見事なまでのミーハー根性でございます。てか、はっきり言っちゃうと、映画版ハリーポッターの魅力って、残念ながらそういう部分にしかない、と思えるのですよね。二作目は見てもいないので評価は保留しておきますが、たぶん同様。

何と言うかまあ、ストーリーとかエピソードの処理に関しては、幾らなんでもマズ過ぎるだろう、という感じです。エピソードを箇条書きで並べたような感じでした。ストーリーを追うのに必要最低限の情報だけを提示しているので、例えば後の伏線となる謎が提示されても、ただ「何だこれ?」としか思えないのです。だから、謎が解明されても「ふーん、そうなの」という程度の印象しか受けなかったり、下手すると「ああ、あれって謎だったのか」と思えちゃったりするわけで。

この映画版ハリーポッターは、個人的にはやっぱり「映画化に失敗しちゃったな」と思えるのですが、その理由はたぶん、原作が持つストーリーの面白さを出来る限り忠実に再現しようとしたからなのでしょう。その気持ちは良く分かるんですが、流石に無謀でしたね。頑張ってはいるのでしょうけど、やっぱり原作のストーリーの面白さはあまり再現出来ていないです。ストーリーや描写を味わう余裕が殆んどないので。少なくとも、この映画版だけを見て、何故あれだけ小説版の人気があるのかを理解するのは無理でしょうね。

原作を読んでいない人も多いかと思うので、一応フォローしておきますと、ハリーポッターの小説版って、実はかなり複雑な構造をしているのですね。一作目だけを読むと、あの時点で世界観などが完全に確立されているように見えますが、実際には氷山の一角でしかありません。「お話」の部分に絞って言うと、一見して無駄に細かく思える描写や、ただの賑やかしに思えるエピソード (イベント) の数々は、その殆んどが後のシリーズの伏線だったり、物語の背後にあるものを理解するための描写だったりするのです。そんなわけで、ハリーポッターはエピソードを削るのがかなり難しいため、映画版はこんな感じになってしまったのではないか、と。


余談。某レビューサイトにて、「これじゃ、ファンタジーと言うよりホラーだ」という批評を目にしましたが、実はそれ、至極当然の事なのです。ハリーポッターって、本質的にはファンタジーじゃなくてモダンホラーなんですよ。一作目は、魔法使いものファンタジーの皮でほぼ完全に覆われていましたが。あと、そもそもハリーポッターの世界観というのは、ほぼ完全に「お遊び」で作られたもので、真面目にファンタジー風の世界観を構築しようという意図は、はなから作者の頭に無いんでしょう。と言うわけで、ファンタジーとしては「指輪物語とは比べものにならない」のは、これまた至極当然の事であるわけでして。

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2004/08/13

サントリーミュージアム

サントリーミュージアム天保山に行って来ました。ここは、いわゆるギャラリーと IMAXシアターの両方を備えた素敵な施設 (安藤忠雄氏の設計による建物自体も素敵) で、今回はその両方を堪能して来ました。

ギャラリーの方は、上のリンク先でも紹介されているように、「パリ1900年」という展示会が行われていました。1900年というのはパリ万博の年なのですが、そのパリ万博のパビリオンとして建てられた美術館の所蔵品の一部が展示されている、との事です。どちらかと言うと、当時のパリの雰囲気を味わってもらう、という趣旨であるようです。絵画のみならず、彫刻、アールヌーヴォーのガラス工芸品など、作品のバラエティはかなり富んでいました。

で、面白かったんですけど、個人的には、これならもっと展示する作品の数が多かった方が良かったな、と思いました。もしくは、作品のジャンルを絞るとか。と言いつつ、機会があれば、もう一度くらいは行ってみたい気がします。

ところで、サントリーミュージアムはいわゆる近代美術に強いと言いますか、展示会で扱われるテーマは、その辺がかなり多いです。というわけで、近代美術が好きな人で、近畿圏に住んでいる人は、要チェックなのであります。


話は変わって、IMAX映画。あまり馴染みが無いかもしれないので、一応解説しておきますと、IMAXシアターというのは、要するに馬鹿でかいスクリーンが魅力の特殊な映画館です。どれくらい馬鹿でかいかと言うと、スクリーン全体が視界に収まらないくらい (註:比喩表現ではありません)。それでいて、上映に使うフィルムも馬鹿でかいので、映像の鮮明さは通常の映画と変わらず。いや、下手をすると、普通の映画より鮮明に見えます。解像感が全然違いますからねー。

で、普段は専用のプログラムばっかり掛かっているのですが、今回自分が鑑賞したのは、「Harry Potter and the Prisoner of Azkaban」。いやその、シリーズ作品を一度だけ劇場で見ておきたいと思ったのと、普通の劇場用映画をあの大画面で見たらどうなるのか、という好奇心に勝てなかったものですから。

というわけで、(自分にとっては) 一番大事だった画質ですが、これは正直びっくり。35ミリのフィルムを引き伸ばしたようには見えませんでした。ただ、一部のシーンはかなりボケてるな、と思ったんですが。恐らく、IMAXでも上映される事を前提に、大きなフィルムで撮影されたのでしょう。と言いつつ、実はそんなに自信が無かったりして。でも、わざわざ IMAXシアターを選択する価値は充分にあるんじゃないかと。値段も変わらないし。

映画としての感想は、文章が長くなっちゃったので、別の機会に。

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2004/08/07

最近は

何だか久し振りに、Kohanばっかり遊んでおります。AIの強さを Normalに上げても超面白ぇ! 勝率は低いけどね! と言えるほどに腕が上達しました。したのか?

前にもちょっと書きましたが、Kohanの最大の特徴は、細かい部分が軒並み自動化されてるんで、細かく正確にマウス操作を行う必要が無いところです。「これなら、反射神経の鈍い人でも安心!」って、ネット上のあちこちでも言われていますよね。勿論、自分にも大安心です。安心ですとも。

てか、忙しくはないんですけど、場合によっては素早く命令を出せないと厳しいかもしれません。キーボードのショートカットを一通り覚えておく必要はあるでしょう。

でも、暫く遊んでいると、むしろ「細かく指示を出す事が出来ない」というのが正解じゃないか、と思えてきます。つまり、戦略の拙さを小手先の技術であまりカバー出来ないのです。だから、自然と戦略 (戦術) 同士のガチンコ勝負になってくるわけです。これこそが、Kohanの最大の魅力なのですよ。

何かね、遊んでいる感覚は、「ルールはシンプルなんだけど奥の深い、本格派ストラテジーゲーム」っぽいんですよ。作戦の実行能力ではなく (つまり、この辺がコンピュータ任せになってる部分です)、立案能力と、実行に先駆けての入念な下準備が重要、というあたりとか。一般的な Command & Conquerタイプの RTSを殆んど遊んでいないので、ちゃんとした比較は出来ませんが、こういう部分の感覚の違いが、あちこちで「斬新だ」と言われた理由なんじゃないか、という気がします。

あと、このゲームは、ルール上の制約など様々な理由から、ただひたすら戦闘状態が続くという状況には殆んどなりません。特に大規模な戦闘の前には、(殆んどの場合は) 下準備のための長い沈黙期間が生じます。ゲームスピードが遅めな事もあって、展開が地味と言えば地味なんですが、こういうゲーム展開における静と動のコントラストは、個人的にはかなりお気に入りです。

ところで、続編の Kohan II: Kings of Warが、今秋には発売されるようです。基本的な部分はそのままに、純粋にパワーアップした内容と見て良さそうな感じで、今からなら、こちらを待つのも一興かもしれません。でも、初代やデータ拡張版の Ahriman's Giftも、規模が小さい分取っ付き易いという長所があるし、今なら値段が下がっているので、まずはこちらを試してみるのも良いかと。てか、最初は体験版ですか。日本語の体験版も、サン電子から公開されているようです。

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