Jagged Allianceの感想文
(註:昨夜アップした時、最後の方が切れちゃってたみたいなので、アップし直しました。)
予定を変更して、リプレイの続きは止め。リプレイを書くより、素直に自分の思いの丈をぶちまけた方が面白いだろう、という事で。今回は、あまり細かい部分を気にせずに書いてみる事にしましたよ。
Jagged Alliance2シリーズってのは、これまで「戦術ゲーム」だと紹介してきましたが、実は、同時に立派なRPGでもあるんですよ。それも、そこらのコンピュータRPGより、ずっと本物のRPGっぽいのです。直接戦闘に関わる事だけでなく、会話や扉の鍵外しといった要素があって、なおかつそれらに自由度がある、ってだけでも充分にRPGっぽいと言えるんですが、何よりそれっぽいのが、非戦闘時と戦闘の最中で、キャラクターが取れる行動に違いが無い点です。そう、このゲームでは、(やや大雑把な言い方ですが)非戦闘時と戦闘時の区別がないんです。
勿論、「非戦闘時と戦闘時の区別がない」点こそが本物のRPGっぽいのだ、と言いたいわけではありません。システム側でプレイヤーの選択肢を制限せずに、全ての判断をプレイヤーに委ねているというデザインの方向性こそが、本物のRPGっぽいなと感じた一番の理由なのです。と言いますかつまり、自分にとってRPGで一番重要なのはその部分なのだ、という事でもあるのですが。
そういうわけで、Jagged AllianceにおいてはRPG要素と戦術ゲームの要素が巧みに癒着していて、かなり独特のゲーム世界が構築されているのです。両者の融合がどうこうと言うより、戦場の様子をリアルに再現したらこうなった、という印象を受けます。だからこう、自称「シミュレーションRPG」とかいう一連のゲームとは、全く別の次元で作られたゲームなのですよ。
でも、Jagged Allianceが本当に凄いのは、ここから先だったりするのです。このゲームでは、現実世界の戦場における殆んどの要素が、しっかりとシミュレートされています。これは、具体例を挙げた方が分かり易いでしょう。このゲームの戦場は、画面上では俯瞰視点からの2Dグラフィックとして表示されていますが、内部ではきちんとした3次元のデータとして扱われています。この3次元データでは、窓の枠やベッドなどの高さ、木の幹の太さなど、細かい部分までがしっかりと反映されており、かなり精密な空間が構築されていると言って良いでしょう。そして、誰かが銃を撃った際には、実際にこの空間の中で弾丸を飛ばして、結果をシミュレートしているのです。この事が意味するところは、特に説明する必要も無いでしょう。
他にも、命中率は傭兵の能力、銃器の性能、距離などから、かなり緻密な計算が行われています。現実世界の全てがシミュレートされているわけじゃないんですが、それでもかなりの要素が緻密かつリアルにシミュレートされていると言えます。しかし、「リアルで複雑(大変)だから面白い」と言いたいわけではありません。と言いますか、実はこのゲーム、まあ慣れるまでは大変でしょうが、プレイヤーの負担がそんなに大きくならないよう作られているのです。
例えば、このゲームではいちいち地形のデータを調べて、それが行動に及ぼす影響を考える必要がありません。そういうのは、見た目だけで十分に判断出来ます(と、簡単に書いていますが、これって実は相当に凄い事なのですよ)。また、キャラクターや武器のパラメータも、リアリティやある程度以上の複雑さを失わないよう、上手く簡略化されています。
他にも書くべき事は山のようにありますが、きりが無いのでこれくらいにして、結論を。Jagged Alliance2というゲームは、何よりもまず、ゲームとしての完成度の高さが尋常ではありません。システムの凄さは言うまでもなく、数値バランスや演出面でも手抜かりが無い。そして、マニアックなゲームではあるのですが、きちんと遊び易さについても考慮されています。「Squadベースの戦術ゲームの最高傑作」と評されているのは至極当然の事だと、素直にそう思います。思うと言うか、思い知らされたって感じですがね。
| 固定リンク
「ゲーム」カテゴリの記事
- インディーズゲームのBundle物を2つ購入してみた(2012.04.08)
- GOG.comで年末セール(2009.12.19)
- The Elder Scrolls IV : Oblivion(2006.03.25)
- Civilization IV のパッチと公式戦略ガイド(2005.12.25)
- Civilization IV : 2回目のプレイ(2005.12.25)
「Jagged Alliance」カテゴリの記事
- JA2UB日記その2(2004.06.24)
- Jagged Allianceの感想文(2004.06.17)
- JA2UBのリプレイその1(2004.06.08)
- JA2UB 誤りの訂正(2004.06.06)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
うーむ、すばらしい解説。
>>この3次元データでは、窓の枠やベッドなどの高さ、木の幹の太さなど、細かい部分までがしっかりと反映されており、かなり精密な空間が構築されていると言って良いでしょう。
僕も敵の弾が建物の窓ごしにこちらを狙ってきたときにはびびりました。
最後の行が途切れちゃっていますが、これって
blogの限界なんでしょうか。
Unfinished Businessは、意外と短いです。
なんかMOD作成ツールの方がメインっぽいです。
JA2を宣伝してくださって、ゲンゴロウさんありがとうございます。
もっとこのPAGEをいろんな人に読んでもらいたいです。
僕のほうは今後MODの解説なんかも書いていこうと思います。
投稿: damned | 2004/06/17 02:17
最後が切れてたのは、X Window Systemのクリップボードの限界みたいです。
かなり眠かったので、確認を怠ってしまいました。申し訳ない。
それはさておき、JAは市街戦が面白いですね。
建物の内部を、窓越しに弾丸が通過して来た時も驚きましたが、開けっぱなしにしておいた扉を盾代わりに使えた時には、更に驚きました。RPG的な自由度の高さを、きちんと戦術に活かせる作りが素晴らしいです。
JA2UBが短かいのは、個人的には、これはこれでアリか、と。プレイ時間が短かい分、スタイルを変えて色々と試しながら遊べそうだとか、理由は色々と。
ところで、「WizardryよりもWizardryっぽい」という言葉には、実際に遊んでみたら、妙な説得力を感じます。具体的に「何処が?」と聞かれると困りますが、でも言われたら一発で納得出来るような何かを感じます。CDSまでとは、全然違うスタッフによる制作なのに。
うーん、上手く整理出来ないので、こんなところで。
投稿: gengorou | 2004/06/17 15:28